臨床検査技師のためのお仕事ガイドブック

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臨床検査技師が遭遇しやすい夜勤当番中のトラブル【もしものための対処法】

 

  • 夜勤が不安
  • 夜勤中のトラブルの対処法が知りたい

こんなお悩みを解決します

 

 

想定外のことが起きるとパニックになります

夜中なので連絡するのも気が引けますよね

 

結論、想定しておくことでパニックにならずに済みます

この記事では夜勤中に遭遇しがちなトラブル5選と対処法について紹介します

 

※夜勤中のトラブルは各施設でマニュアルが設けられているので基本は自施設での対応を遵守してください

私が追加でやっていることを紹介します

 

パニック値

血小板が低い

 まず検体が固まっていないか確認

  •  バッフィーコート面がガタついていないか
  •  標本を引いてフィブリン析出がないか

 

 真の血小板減少であれば輸血オーダーが立っても対応できるように

 製剤在庫確認やカルテ確認、凝固系など他の検査データも見ておきましょう

 

 ※寒冷凝集や検体凝固のせいで不要の輸血を防ぐためにここでの確認は重要です

 

 

貧血

 カルテを見て搬送歴・現病歴など貧血を臨床側が把握しているのか確認

 生化学や凝固系確認(輸液混入を否定)

 

 真の貧血であれば輸血準備

 (慢性貧血では様子を見る場合もあるので、夜勤中の平穏を保つためにも臨床とのコミュニケーションも重要となります) 

 

 

低血糖

 カルテを見て搬送歴・現病歴など貧血を臨床側が把握しているのか確認

 全血で図る場合は測れない場合があるので、遠心分離→血漿除去後に混和して再測定

 

不規則抗体陽性

まず輸血の必要があるか確認

 

輸血が不要の場合:血漿分離、血球浮遊液を作成し引き継ぎ

  無理して抗体同定まで行う必要はなく、待てるのであれば専門技師に任せましょう

  検体が不足してルーチン者が後で確認できないなんてことは避けなければなりません・・・

 

輸血が必要の場合:IgG法 酵素法まで行う

  • 酵素法のみ陽性なら非特異反応や冷式抗体かも

  機械でクロスマッチをかけてOKならそのまま払い出しOK

 

  PEGやブロメリン法で不規則抗体スクリーニング、製剤のクロスマッチまで行うとより安心

 

 

  • IgGまで引っかかってくる場合は要注意

   IgG、酵素、自己抗体まで全部引っかかってくる場合は特殊な作業が必要

   ルーチン担当者に連絡

 

緊急輸血、T&S

いきなり緊張輸血が入るとドキドキしますよね

慌てて普段できる機器操作に戸惑ってしまい、さらにパニックに・・・

 

まず落ち着くのが大事です

 

逼迫する場合はO型RCC AB型FFPをバンバン出す

 

血液型が確定すれば同型製剤をバンバン出す

 

これでOK

 

注意として輸血する前に確定用の採血をしておかないと機械で判定保留となってしまい、

後でかなりややこしいことになります

 

臨床に製剤を入れる前に採血するよう念押ししておきましょう

 

不規則抗体が引っかかった際やRD陰性の場合は臨床に連絡を取り、

リスク承知の上ABO式が合致した製剤を払い出します

※輸血に関しては特に各施設のマニュアルを熟読・遵守してください

 

 

心電図検査

救急外来や病棟へ撮りに行くとヒリヒリした雰囲気に胸痛を訴えている患者・・・

初めて行くと雰囲気に圧倒されてしまいますよね

 

緊張していると思わぬミスを連発してしまいます

とくにやりがちなのがつけ間違い

 

臨床側がつけ間違いと気づけばまだ良いですが、

つけ間違いに気づかずQ波や陰性T波から虚血かも?と思われてしまえば誤診の原因にもなります

 

オススメの確認方法は以下の通り

 

  • 右手(赤)とV1(赤)で赤が揃っている
  • ゴロで覚える
  • 指差し確認する など

 

体動で筋電図が取れない場合は肩や腰の骨につけるとマシになります

 

機器トラブル

至急検体が来ているのに試薬切れになっていたり、謎のエラーが出ていたり

 

予想されるエラーや一度見たエラーは対応できるようになっておくと○

 

当番に入る前に対処法を聞いておくと良いでしょう

 

中にはルーチン担当者しか触らない方が良い設定もあるのでむやみに機械を操作するのはNGです

 

まとめ

普段から想定して対処を習っておくと○

遭遇したトラブルはキチンと記録・検証して次回に備えましょう